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■ちょっと頑張りすぎたか?!■

 今年の春先から5キロ近くも体重が増えてきてしまった。もちろん全てが脂肪ではないが、筋肉よりは脂肪の方が圧倒的に多い。

 特に下腹部が一番気になり出してきた。ジーパンなどもきつくなるし、このままいくと全てはけなくなり経済的にも打撃が大きいので、7月からダイエットを決意。

 食事もより注意をしていかなければならないが、運動も今まで以上に有酸素運動に力を入れ、1日の運動量を「有酸素1時間、筋トレ1時間」と決めた次第である。

 その有酸素運動の内容であるが、ボクササイズやエアロなどのスタジオレッスンを除いては、ランニングやステッパーなどのマシンを用いて行っている。

 マシンを用いる利点として、まあ屋内で行うので、天気などは一切気にする必要は無いという点も大きいが、心拍数が管理できるという点が挙げられる。

 現在、フィットネスクラブなどに置いてある有酸素運動系のマシンには、ほとんど全てと言ってよいほど心拍数を計る機能が付いている。だから、好きなときに自分の現在の心拍数を知ることができる。特に脂肪燃焼を目的に行う場合は、心拍数を脂肪が燃焼されやすい域に保つことが大切である。

 まあ、3カ月も毎日のようにマシンを使って有酸素運動を行っていると、そのときの心拍数はマシンで測定しなくてもだいたい分かってくるものである。それと同時に体も慣れてきて、「もう少し負荷を高めようかな!?」などとなってしまう。

 私の場合、150まで上げるとけっこう呼吸も激しくなるが、「これで目一杯」と言うレベルではない。しかし、160になるともうヘトヘト状態で、何分も続けられるものではない。

 先日、ランニングマシーンで、体調もまあまあだったせいか少し調子をこいてしまい、残り3分ほどをラストスパートをかけて目一杯心拍数を上げてしまった。その後、クールダウンをしていたのだが、急に尿意を催し、「あれっ、何でまた急に…」などとも思いながら、慌ててマシンに振りかけた汗を拭いてトイレに向かい小便器へ「放水!」を行ったのだが、それは、普段めったに口にすることがない赤ワイン色だったのである。

 関連ページ「心拍数を設定する

 

■病院へ■

 「ケ、ケ、ケ、ケ、血尿!」いや〜、我が目を疑ってしまった。見事なワインレッドである。10年くらい前であろうか、やはり運動中に急に尿意を催しトイレに駆け込んだことがある。その時は「ちょっとピンクがかっているかな?」というくらいでそれほど気にはならなかった。

 しかし、今回は状況がかなり違う。「ちょっと頑張りすぎちゃったかな!?年も年だし…」という感じである。一時的なものなのか、それとも腎臓の機能が弱ってきているのか素人では判断が付かなかったので、翌日近くにある公立病院の泌尿器科に受診してみることにした。

 先生:「今日はどうされました?」

  私:「昨日、血尿が出まして…」

 先生:「血尿ですか…。今回が初めてですか?」

  私:「いえ、10年ほど前にもあることはあります。ただ、その時はうっすらとピンクがかっていたくらいだったのですが、今回はけっこう真っ赤で…」

 先生:「そうですか。10年ほど前ね…。今回、血尿が出たときはどんな状況でした?」

  私:「はい。走っていて急にトイレに行きたくなって…」

 先生:「運動中ですか?!」

  私:「はい。10年ほど前も運動中だったんです。ちょっと最近頑張りすぎてしまったみたいで…」

 先生:「だめですよ、尿が赤くなるまで運動をしては!」

  私:「はあ…」

 確かに激しい運動をして腎機能を低下させてしまったのであるから、これは体によくないということは素人の私でも理解できる。「でも、先生、どこまでやったらそうなるというのが自分でも分かっていれば、その手前で止めておきますが…」と心の中でささやかに反論させていただいた次第である。

 先生:「念のため直腸診をしましょう!」

  私:「直腸ですか?」

 先生:「ええ、ちょっと前立腺を触診します。ちょっと横になってください。」

  私:「前立腺?あっ、はい。」

 どの指を直腸に挿入されたのは良くわからないが、親指や小指でないことは確かであろう。

 先生:「これ、何か感じますか?」

 もちろん、「いや〜ん、感じちゃう!」などというジョークが言えるわけもなく

  私:「感じるって?」

 先生:「痛みとか触られている感じはありますか?」

  私:「痛みはありませんが、触られている感じはあります。」

 先生:「はい、いいですよ。終わりました。」

  私:「あっ、はい。」 

 先生:「ちょっと、前立腺があれかな…。念のために血液検査をしましょう。」

  私:「あっ、はい。」 

 先生:「悪性の腫瘍の可能性も調べておきましょう。」

 もちろん、「悪性の腫瘍ですか?ガーン!」などというジョークが言えるわけでもなく

  私:「あっ、はい。宜しくお願いします。」

 先生:「検査結果は2週間後くらいになりますので、次の診察の予約を入れておきましょう。」

  私:「あっ、はい。」

 先生:「それから、場合によっては追加検査が発生することもあります。その時は追加料金が発生しますので、ご了承ください。」

  私:「はい。分かりました。」

 先生:「じゃあ、お薬を処方しておきますから…」

  私:「はい。ありがとうございました。失礼します。」

 と言う感じで診察室を後にした次第である。この日の会計は検査代も含めて11,000円弱であった。普通は病院を出てすぐに薬局向かうのであるが、財布の中身が少し心もとなく、薬局で「あれ〜、ちょっとお金が足りなく…」というような状況になるのは避けたかったので、「別に後でもいいか!」ということでその日は薬局によることはしなかった。と言うよりも、今回は結果的には薬局に行って処方箋を提出することはなかった。

 私の場合、処方された薬をまともに飲むことがない。いつも半分は無駄にしている。「けっこうそういう人って多いのでは」と勝手に思っている。もちろん、血圧や血糖値を薬で抑えておかないと命に関わる場合もあるわけだが、「まあ、念のためにお薬を処方しておきますね」というケースもかなりあり、それが日本の医療費の高騰を招く原因の一つと考えている。

 今回の場合も、もし血尿の原因が激しい運動によるものであれば、運動量を抑えれば解消するはずである。よって、念のための処方箋であると自己判断した。もちろん、そういう行為がマイナスに働く場合もありうるわけだが、それは全て自己責任であると考えている。

 

■検査結果■

 それから4、5日して病院から電話がかかってきた。

 病院:「もしもし、○○さんのお宅でしょうか?」

  私:「はい、そうです。」

 病院:「○○さんはいらっしゃいますか?」

  私:「はい、私ですが…」

 病院:「あっ、こちら△△病院です。お世話になります。それで、今回の血液検査なのですが、追加検査が発生したのでご連絡を差し上げた次第です。」

  私:「追加検査ですか…。それって、あまり良いことではないということですよね!?」

 病院:「ええと、私は会計を担当しているもので、検査内容に関してはよくわからないのですが…」

  私:「あっ、すみません。とりあえず了解しました。」

 本来の検査項目では足りなく追加分が発生したということは、だれが考えてもよい知らせではないことが分かる。「もしかしたら宣告されてしまうのか」という一抹の不安を覚えるようになった。

 実は、根拠はほとんどないのだが、「自分はガンにはならないだろう」という楽観的な感覚が私にはある。

 それは父方も母方も両親とも長命だからである。その他の親族も、ガンで亡くなったものがいないわけではないが、長命な人が多いという漠然とした感覚を持っている。

 実際にはどこのだれがい何歳で亡くなって、その原因が何だったのであるという記録を付けているわけではないので、まったく漠然とした感覚に過ぎないのである。それに、実際の医師が出ているあるテレビ番組で「ガンは遺伝しません。家系的にガンで亡くなる人が少ないのは、ガンにかかりにくい生活をしているから」というようなことを言っていたので、それが本当だとしたら「親族にガンが原因で亡くなった人が少ないから安心」というのは全く根拠がないものになってしまうし、私の親族がみんな「ガンにかかりにくい生活をしている」というのも考えにくい。

 だから、今回、病院から電話をもらって追加検査のことを聞いた時には、その検査内容がどのようなものか全く分からないにしても、漠然とした楽観的な感覚を覆されたような気がした。

 そして次の診察の予約日に、再び先生の前に置かれた座面が丸いイスに腰を下ろした。

 先生:「前回の血液検査の結果ですが…」

  私:「はい」

 先生:「追加検査を含めて結論から言いますと…」

  私:「はい(ドキ、ドキ、ドキ…)」

 先生:「全く問題はありません。どの数値を見ても正常の範囲内です。」

  私:「あっ、そうですか…」

 「何となく大丈夫だろう」という漠然とした感覚と「もしかしたら…」という不安が交叉した日々を送っていたので、一安心である。

 先生:「あれ以来、尿の方はどうですか?」

  私:「あの1回だけで、それ以降は正常です。運動の方もあまり無理していませんので…」

 先生:「そうですか。それで、薬の方は大丈夫でしたか?」

 薬の話が出るとは思っていなかった。「医師が、自分の処方した薬を実際に患者が購入したかどうかなんて把握しているのだろうか?」と少し不安になる小心者の私であったが、「実は、あの日ちょっとお金が…」と正直者にはなれずに 

  私:「あっ、はい。特に問題はありませんでした。」

 「そうですか。それでは、また不安になる症状が出るようであれば受診してください。」という先生の言葉にお礼を言い、病院を後にした次第である。

 結局、あの血尿は、担当してくれた先生の方からの説明は全くなかったのだが、ネットでいろいろと調べてみると、実際には血尿、つまり赤血球が尿に漏れ出たものではなく、筋肉中に存在するミオグロビンという赤い色素タンパク質が尿の方に出てしまったのが原因のようである。筋肉が赤く見えるのはこのミオグロビンによるもの。

 このミオグロビンは酸素を貯蔵する働きがあり、必要に応じて放出している。あの時は、一次的に激しい有酸素運動をしたので、血液中の赤血球が運搬している酸素だけでは足りなく、筋組織を破壊してミオグロビンを大量に血中に放出して酸素不足を補おうと働いたようである。

 その大量に放出されたミオグロビンによって一時的に腎臓が機能不全を起こし、尿中にもれだしたのである。

 あれ以来、心拍数を上げすぎるような有酸素運動は控えている。150を超えてしまうことはままあるが、160代にはしないようにしている。健康のために運動をしているのに、身体を壊してしまっては元も子もない。また一つ賢くなった私がいるわけである。「完」

 ⇒「ミオグロビンは」の解説ページへ

 

備考