四方山話

         

     

韓国フィットネス紀行/四方山話



 


利用してみて

@ ムッチョ・マッチョ

  「カリフォルニア・ワウ」のここアプクジョン店は「ソウルで一番大きい」というだけあって、夜はなかなかにぎやかである。ただ、タイやマレーシアでも共通して言えることだが、店内にはビートの利いた音楽が常に流れ、照明を抑えていて、ところどころ青や赤のネオンなどを用いたりしているため、雰囲気的には「若者」向けで、年配の人が利用しているのはあまり見かけない。
私は地元のフィットネスクラブに、いつも夜行っているが、9時、10時あたりでも60代から70代前半くらいの年配の人をみかけるが、ここでは年長の人でも50代と言ったところである。
また、マネージャーのダニエルが言っていた「有名人もよく来ます。」の真偽の程は定かではないが、すらっとした美形の女性や韓流スターに負けないくらいのルックスの男性を見かけたりすることもあり、一般人なのかその手の人なのかは分からないが、まんざらうそではないのかもしれない。
また、スタジオのレッスンだが、レッスンの内容に関係なく、やはり受けている人は女性の方が圧倒的に多く、男性は1割か2割といったところで、日本に比べると「スタジオレッスンは女性がやるもの」という意識が高いのかもしれない。
そして、男性はどうしても「マッチョ志向」が強く、フリーウエイトなどで重い負荷をかけて、筋肉を太くすることがトレーニングの中心のようだ。
「ソウルで一番大きなフィットネスクラブ」で「若者向け」ということもあって「ムッチョ・マッチョ」「ムキムキ」な男性がたくさん来ている。
中には「そんなにつけてどうするの?」と思いたいくらいの筋肉マンがいて、「この筋肉を見よ!」という感じでクラブ内を「ドスン、ドスン」と地響きを立てながら歩いている。
そういう人を見ると、右手の人差し指で筋肉を「本物?スゲー!」と「ピクピク」と押したくなる衝動に駆られてしまうが、じっと我慢しなければならない。
また、そういう筋肉マンの中には、いや超筋肉マンはしない、超筋肉マン一歩手前の人が、ロッカールームの鏡の前でポーズを取り、自分の世界にどっぷり浸っている人もいる。
間違っても、鏡の前でポーズを取っている人の前は通らないようにしている。遠回りをしてでも「安全なルート」を選ぶのである。
また、超筋肉マン2歩手前の人たちの中には、友達同士で鏡の前に立って「オレの方が腹がわれているぞ!」とか「見ろ、この背中のムキムキを!」などと言いながら競い合っている人たちがいたりするのである。
しかし、そういう人たちの横に立つと自分の身体が「骨と皮だけ?」と思えてしまうのである。気づくと「無意識のうちに細い人の横に立っていることが多い」私がいるので、なんとも悲しくなってくる。


A 日本だけなのであろうか?

  スタジオレッスン
昼間は50分というレッスンもあるみたいだが、夜のレッスンは全て60分である。レッスンの時間割はスタジオ入り口のドアの横に張ってあるし、フロントなどにもコピーをして置いてあるので自由に取ることができる。また、ホームページでも確認ができるので、どのレッスンが何時から始まるかは容易に分かるはずである。
もちろん、仕事の都合でレッスンの開始時間に間に合わないということは日本も韓国もあること十分にありうることだから、レッスンの途中から参加する人もいるのだが、ここ韓国ではレッスンの半分が過ぎてから入ってきたり、残り10分しかないというのに入ってくる人もいる。
また、レッスン中にスタジオの外に出て行ってしばらく戻ってこないので、「帰ったのかな?」などと思っていると、突然復活したりする。スタジオの外を友達が通れば「ちょっと、ちょっと」などと慌てて友達のもとへ駆け寄ったりする光景も見受けられる。
そのことはタイやマレーシアでも同様であった。私は日本の限られたフィットネスクラブにしか行ったことがないので「全てが同じ」というつもりはないが、日本では多くの場合、レッスンが始まって何分かすると「入場はご遠慮ください。」とスタジオへの出入りは制限されていることの方が多いと思われる。
しかし、そのようにスタジオへの入場を制限するのは日本だけなのであろうか?「出入りが自由」であれば、レッスンの時間に間に合わないときは助かるし、あまり後から入ってくる人が多いと、先にやっていた人の気が散ってしまうということもあるだろう。
場合によっては改めて後から入ってきた人のためにスペースを作らなければならないということもあり得る。
スタジオ広さにかなり余裕があるようであれば、後から入ってきた人はみんな、スタジオの後ろの方でレッスンを受ければ、先に入ってきた人に迷惑をかけることもないと思われるのだが、なかなかそう恵まれたスタジオもあるまい。
あと、日本の場合は「レッスンの途中から入ってきて、いきなり激しい運動をすると怪我の元になる」という発想もあるみたいだが、こちらではその辺のところは全て「自己責任」となっているみたいだ。
それぞれにメリット、デメリットがあるので、どちらが良いとは決められない。とりあえず「郷に入っては郷に従え」と言ったところである。


B モップは?

  たぶん日本国内のフィットネスクラブであれば共通して言えることかと思うが、マシンごとに布などがついていて、自分が使った後にマシンについた汗がふき取れるようになっている。
また、スタジオの場合は隅のほうに汗をふき取るためのモップなどが置いてあるものであるが、ここではそのどちらも見当たらない。
まあ、マシンの汗であれば、ほとんどの人が持ち歩いているフェイスタオルでふき取ることはできるが、スタジオのフロアとなるとそうはいかない。
普段の生活では特別に汗かきだとは思わないのであるが、スタジオレッスンとなると話は違ってくる。特に有酸素系のレッスンは汗が出る出る、なんでこんなに出るのだろうと思うくらい出てくる。
もちろん、レッスンの途中でもこまめにタオルで汗をふき取っているのだが、フェイスタオルくらいの大きさでは十分ではないので、国内ではバスタオルを持ち歩くようにしている。
しかし、タイ、マレーシアでもそうであったが、カリフォルニア・ワウのバスタオルは大きすぎてちょっと持ち歩く気にはなれない。
有酸素系のレッスンを2本受けると、フェイスタオルなどはグチャグチャになってくる。また、腹筋などを直接フロアの上で行うような場合もあるので、そうなるとフロアもビチョビチョ状態で、グチャグチャのフェイスタオルを使って汗をふき取ろうとしても、そううまくふき取れるものではない。
国内のスタジオであればモップを使うところだが、回りを見回しても、そのようなものはどこにも見当たらない。
また、通常、国内であればレッスンが終わるとスタッフがモップを使って汗をふき取り、次のレッスンに備えるのだが、こちらではだれもそのようなことをしていない。「汗なんかそのままにしておけばすぐに乾く」という発想なのだろうか、よく分からないが…。でも、やっぱりフロアはきれいになっていたほうが次に使う人も気持ちよいはずである。
でも、ないものは仕方がない。そのような場合、「いやー、このフロアの私の汗どうしたらいいんだろう?しーらないっ!」という感じで足早にスタジオを出るのであった。


C パーソナルトレーニング

  マネージャーのダニエルが言っていたカリフォルニア・ワウの「売り」の一つであるパーソナルトレーニングだが、トレーナーの数は多い。パーソナルトレーニングの受付のカウンターの横の壁にはトレーナーの顔写真が張ってあるのだが、何人いるのか数えてみたら33人の写真が張ってあった。
それぞれのトレーナーにしてみれば、常にパーソナルトレーニングが入っているわけではないので、暇なときは受付カウンターの所にいたり、または館内を回ってマシンでトレーニングしている人に多少アドバイスをしている姿も見受けられた。
で、このパーソナルトレーニングなのだが、これが見ているとけっこう「きびしい」のである。トレーニングを申し込むほうは、当然これは「お客様」なのだが、傍で見ている限りは彼らの間には「店員とお客様」という主従関係(?)は存在しない。まるで部活の「先輩と後輩」の関係のように厳しくやっている。
「だめだめ、もうできないわ。」
「何を言っているですか、あと5回だけじゃないですか。さあ、頑張って!」
「でも、もうクタクタで足が上がらないわ!」
「そんなもの気持ちで何とでもなります。自分のためのトレーニングですよ。シェイプアップした自分の身体を想像してみてください!」
「もう、分かったわよ。やればいいのでしょ、やれば・・・。」
「そうですよ。さあ、立って立って。1回、2回、3回、・・・。」
「5回っと、ヒャー、やっと終わったわ!」
「できるじゃないですか?!はい、もう1セット。」
「ヒャー、死ぬー。」
という会話が聞こえてきそうである。


D 常に「携帯」電話

  韓国の携帯電話の普及率がどれくらいなのかは分からないが、日本と同じくらい「みんな持っている。」という感がある。通話やメールはもちろんだが、地下鉄などの車内では携帯を使ってテレビなどを見ている人も良く見かける。
しかし、携帯電話の使用する場所を制限するのは日本だけなのであろうか?韓国に来る前は特に根拠はないのだが、韓国は日本よりも厳しく使用する場所を制限しているようなイメージがあった。
でも、実際は逆。タイなどと同じように、電車の中であろうが、フィットネスクラブの中であろうが全く関係がない。
フィットネスクラブ内では、足でレッグカールをやりながら携帯で会話をしているし、スタジオの中に持ってきている人も多い。さすがに、サイレントモードにしているが、レッスン中でもタオルやドリンクの脇に置いた携帯が「ブーブー」とバイブレーションして着信を知らせているのである。
所有者はレッスンの途中でも誰からかかってきたのかを確認し、「あらっ、彼からだわ。」などとスタジオの外に出て、かけてきた相手にかけ直したりしている。
日本では、電車の中では「電源を切ってください。」というアナウンスが流れ、私の通っているフィットネスクラブでは「ラウンジ」等の所定の場所以外での使用を禁止している。つまり、ロッカールームでも基本的には通話はもちろんのこと、メールをチェックすることも建前上は不可となっている。
その制限に関して今まで深く考えたことはないが、タイや韓国と比べたときに「日本ではなぜそう厳しく使用を制限するのだろう?」という疑問が浮かばないわけではない。
もちろん、携帯電話の電波がペースメーカーのような医療機器に悪い影響を与えるようであれば当然であるが、そういうケースは少ないのではないだろうか。
「(人と人との)普通の会話」が良くて「携帯での会話」が禁止されている。要するに、「話し方」の問題なのであろう。
携帯の場合は話す声も大きくなりがちになり、周りの人に迷惑をかけることが多いのかもしれない。普通の会話だって大きな声で話せば、周りの人に迷惑をかけ、不愉快にさせることだって当然ある。
携帯は非常に便利で、もう日常生活には不可欠な道具になっているが、中毒症状を起こしている人もかなりいるようだ。特に、若い子が自転車などに乗りながらメールをチェックしているのを見かけるが、非常に危険である。
一時停止の「止まれ」などは全く無視。「しかし、そんなことで事故を起こして取り返しのつかないことになったらどうするのだろう。」とよく思うのだが、本人たちは何にも考えていない様子。
そういう人は事故を起こしてみないと分からないのかもしれない。非常に残念である…。


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