四方山話

      
     

 台湾フィットネス紀行/四方山話                                




宿はどこにあるのだ

 住所から私が予約をいれたレンタルルームはビルの4階にあるということが分かっていたので、タクシーの運転手に「このビルがそうだ!」と言われたビルの4階と思われるところを見上げてみたが、宿の名前の入っている看板などは見当たらず、飲食店のものばかりであった。
ビルの入り口もしかりで、全くレンタルルームの存在を示すものはない。「おいおいえらく商売気がないな。」とちょっと不思議になったが、とりあえず目的のビルということは確かなようであったので、エレベーターで4階まで上がってみた。
エレベーターを降りると目の前は1階から通じている階段でその右手にドアが1つあるのみである。しかもドアにはなにも表記されていない。一般の民家のドアのようである。
 どう考えてもここは違うはずである。だいたいホームページのスポンサーサイトに広告を出して商売でレンタルルーム(1泊から可能)をやっているのだから、入り口にそこがレンタルルームだと分かるものが何も貼っていないということはありえない。そう、そんなことあってはならないのである。
「完全にビルを間違えている。」と再びエレベーターで1階に下り、メールをプリントアウトした紙に印字されている住所とそのビルの住所を見比べてみるのだが、確かに合っているようである。
道行く人に聞いてみたり、近くにある日本料理店で聞いてみるが、だれも分からないとのこと。また、近くにあるホテルのフロントに行ってたずねると、「ここだよ!」と地図を使って違う場所を教えてもらい行ってはみるのだが、明らかに手元にある住所の番地から離れていくので、再び振り出しからのスタートである。
タクシーを降りたところでウロウロしていると、すぐ横のビルの前で携帯電話で話をしていた女性が「どこか探しているの?」という感じで中国語で声をかけてくれた。「ここに行きたいのだけれど…。」と住所を見せると「どれどれちょっと貸してみて…。」というふう私から紙を取り、2,3歩移動して少し明かりが射すところで紙に書かれた住所を確認している。
「そっちのビルが14だから、ここが15でしょう。だったらとなりは…」というような独り言を言ったかと思うと、「これはここのビルよ。間違いないわ!」という感じで私が4階まで上がったビルを指差している。
ただ、状況はどんどん悪くなり、ビルの入り口のシャッターがすでに下りていて、もうビルの中に入ることはできなかった。
一応、入り口にインターホンがあり「4F」というところがあるので、その女性が何回も押してはくれているのだが、全く反応がない。どうみても正常に動いているようには思えない。
その女性も「お手上げね!私、仕事があるから…。」という感じで手に持っていた住所の書いた紙を私に手渡したので、「謝謝(シェイシェイ)」とお礼を言った。
私も何度となくインターホンのボタンを押してみるが、同じように全く反応はない。「参ったな!最悪、別のところを探すしかないかな…。」と思っているとシャッターの向こうから誰かが駆け足で近づいて来る足音がして、シャッターの扉が開いたのである。
中から女性の人が出てきて「○○さんですか?」と私の名前を言うではないか。「いや〜、助かった!」と安堵のため息である。私は「そうです。」とうなずくと、「ずっと待っていたのですよ!」とのことである。
結局、私が予約を入れたレンタルルームというのは4階の例の民家のような扉の向こうにあったのである。彼女が言うには「レンタルルームを借りている人が、さっきから大きな荷物を背負ってウロウロしている人がいると言うので急いで下りてきてみたの。」ということである。
最初にタクシーでビルの前から降ろされてから1時間半してようやく目的の場所に到着したのである。



 

レンタルルームの入っているビルの1階部分。夜の9時以降はシャッターが閉まってしまう。「どうでも良いが、4階にレンタルルームが入っていると分かる看板でも立ててくれ!これではまったく分らん!」



ちょうど写真の中央に位置する白いビルがレンタルルームの入ったビル。その手前の「郷音酒坊」の赤い看板が1度だけお邪魔した「カラオケ」の看板。宿の周辺は飲食店やコンビになど生活に困らないものがそろっている。



台北はスクーターの町である。もちろん自動車の交通量も多いが、それゆえに小回りの効くスクーターは重宝する。老若男女関係なくスクーターにまたがり移動をしている。よって、道沿いはスクーターの駐車スペースとなっていて、ちょっとの隙間があれば、その横のスクーターを少しずつずらして自分の駐車スペースを確保する。


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