四方山話

       


タイ・マレーシア フィットネス紀行/四方山話




3回も通うと…。

 宿泊地での食事は、当然外食となる。つまり、食べるところを探さなければならない。例外的には、何回かコンビにで冷凍食品を買って、電子レンジで温めてもらったり、食堂や屋台でテイクアウトの食事を注文したこともあったが…。
  バンコクでは宿泊料金に朝食がセットされていたので、便利は便利であった。しかし、毎日ほぼ同じものを食べていたので、何回か続けていると当然飽きてくるのだが、それを通り過ぎると慣れてくるので、これもまた不思議である。
  ここプーケットでは、宿泊料金に朝食はセットされてはいなかったが、朝食だけはいつも宿でトーストとコーヒーのアメリカンフレックファストを食べていた。
  宿が丘の中腹にあるということもあって、食堂からはビーチやメインストリートが見晴らすことができた。いつも、風は少し強かったが、一番見晴らしの良いテーブルに着き、ゆっくりと朝食を取っていた。
  この宿の食堂、テーブルが7つくらいあり20人から25人くらいは座れるのだろうが、ビーチの雰囲気があるというものではなく、朝食以外に、昼食や夕食をここで取る人があまりいるようには思えない。
  よって、半分は宿の従業員の憩いの場となっている。
  私も、とても昼食と夕食をここで食べようという気にはなれなかったので、別のところを探して食べていた。
  もちろん、レストランなんていくらでもあるのだが、どこでも構わないというわけにはいかない。私なりに選ぶ基準がある。
  せっかくビーチに来たのだから、できればビーチ沿いで気持ちよく食事がしたい。そして、ビーチ沿いにはレストランはいくらでもあるが、そんなにリッチな食事はできないし、こ洒落たところで一人で食事をするのも、そんなに快適なものではない。
  テーブルの上にキャンドルなんかが置いてあって、カップル同士が「I love you, honey.」などと言って、チュッチュしているのを横目で見ながら食事をするのは、食べたものが出てきそうだ。
  食べる場所を決めるときの要素として一番大事なのは、私の場合、ビールの値段である。とにかく、ビールが安くなければ、速攻でパス。
  通常、レストランの前にはメニューが置いてあって、それをパラパラとめくって金額を確認してから席に着くものであるが、いちいち料理の値段を覚えていられないし、支払いの中では料理よりもビールの占めるウエイトのほうが大きいのである。
  だから、メニューの最後の飲み物のページの「〜ビール、…バーツ」「〜ビール、…バーツ」というところしか見ないのが常。
  良い場所を見つけたのである。ビーチ沿いで、かつビールが安かった。「ビールが安い」と言っても、通常、極端に安いというのはあり得なく、大ビン(630ml?)でだいたい10バーツから20バーツ(日本円で34円から68円)くらいの範囲内の違いになる。でも、これが私にとっては魅力的なのだ。
  レストランの名前は覚えていないが、毎日のように、昼食か夕食はそこで取っていた。そして、3回も通うと、ちょっと遠くからでも私を見ると「元気か?この席に座れ!」とビーチに近いテーブルを指差す。私が席に着くなり「ビール大瓶だろ!」と言うので、それには大きくうなずくしかなかった。
  そう、まずはビールなのだ!この暑いタイではビールを補給していかないと脱水症状を起こしてしまい、死にいたる危険性までもはらんでいるのである。ビールがないと生きていけない身体になってしまった。
  しかし、タイに来るまでは、諸事情により7ヶ月間全くアルコールを入れていなかった。ジムで毎日のように測る体重も73キロ前後で落ち着いていたのだが、タイに着てからは1回も体重を測っていない。ジムに体重計がないでもなかったが、いわゆる「はかり」のような体重計で、何て表現したらよいのか分からないが、体重計に乗って分銅を移動させてバランスを取って測定するものだった。
  今までそのようなものは一度も使ったこともないし、正確に測れるかどうか自信がなかったので、進んで使ってみたいとも思わなかった。(トレーニングマシンなどの設備は最新なのに、体重計との間にえらくギャップを感じる。) 
  今現在、どのくらいの体重になっているのか検討がつかないが、摂取しているビールの量やトレーニングの時にはくショートパンツもきつくなっているような気がするので、「かなり増えているのだろうな?」という不安は当然ある。
  しかし、また日本に帰ったら「禁酒生活」の始まりである。この際、「飲めるだけ飲んでやる!」という感じがしないでもない。
  注文した料理がテーブルに運ばれるまで、気持ちよくビールをグイグイやるのだが、店が混雑しているときなどは、料理が来るまでに時間がかかり、1本空いてしまったりする。料理を運んできたウエイターはそれを見て、右手の人差し指を立てて「もう一本?」と、一応確認したりするのであった。
  旅の後半、バンコクでよく行ったレストランなどでは、最後のほうには、席に着くとメニューと一緒に栓の開いているビールを持ってくるようになってしまった。これには参った!



 

ビーチの端にある、いつも食事をしていたレストランから写したもの。パラソルがとぎれることなく続く。



いつも食事をしていたレストランの横にはレゲエバーがあり、夕方くらいから開店となる。その名も「スカバー」。ボブマリーの曲を聴きながら、潮の香りをかぐ、そしてビールをグイグイではなくチビチビとやる。これが、また最高なのである。


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