四方山話

インドシナ半島フィットネス紀行/日記 - タイフィットネス紀行/日記

 

 

タイマッサージ


 

 タイでマッサージというと、タイ古式マッサージを思い浮かべる人は多いと思う。日本でもを受けられるところはそこそこあり、もうかなり前になるが国内でも2、3回ほど受けている。もちろん、バンコクでも、おそらく初めて訪れたときだと思うが、2、3回は受けた記憶がある。

 この古くから伝わるタイの古式マッサージだが、個人的には、もしかしたら私の認識違いの部分があるかもしれないが、マッサージというよりは「整体」に近いような気がする。背骨を反らせたり回旋させたり、もちろん施術の仕方次第なのだろうが、「痛み」を感じることも少なくない。 

 まあ、その「痛み」も多少であれば心地よかったりすることもなくもないが、私の場合、通常は「痛いのはパス」ということでオイルマッサージを選ぶことがほとんどである。

 

■ 有馬温泉 ■

 バンコクで「有馬温泉」というのもかなり奇妙な感じだが、マッサージ店の名前である。実は今回訪れるのは何と27年振りで、初めてバンコクを訪れたとき以来となる。この有馬温泉には、タイ古式マッサージをはじめとしてオイルマッサージなど各種マッサージがあるようだ。

 実は、私はマッサージを受けたことがなく、お目当てはお風呂とアカスリで、小さいがサウナも併設されている。また、アカスリは男性専用のようで、女性のお客さんに関しては同じようなサービスは提供していないと思われる。

 普段の生活では、ほとんどはフィットネスクラブのお風呂での話になるが)身体を洗うときは、ナイロン製の手ぬぐいのようなものを使っている。しかし、この旅では普段使っているものを忘れてしまって、旅先で「買わないと…」と思いながら、なかなかいいものが見つからなかった。

 仕方がないので、いつも身体を洗うときは、両手の中に石鹸を入れて泡を作り、それを手の平を使って全身に塗ってこすっていただけであった。当然、しつこい垢などは落ちるわけがなく、「かなり垢も溜まっているんだろうな〜」という不安はあった。

 よって、「バンコクに行ったら、とりあえず有馬温泉に行って溜まりに溜まった垢を落とそう!」とずっと思っていて、バンコク入りしたその日に有馬温泉のあるシーロム地区に向かった。宿のマーヴィンスイーツからは、スカイトレインで2駅目のサラデーンで下車して徒歩で数分である。周辺にはパッポンやタニヤがあり、夜は賑やかな繁華街となる。

 ちょっと道路から見た店舗の入り口付近や受付あたりの様子は全く記憶になく、27年前に訪れたときと変わっているかどうかは分からないのだが、4階?のアカスリの階は私が初めて訪れたときと全く変わっていなかったような気がした。

 さて、その料金だが、アカスリは800バーツ(約2600円)なので、決して安くはなく「ちょっと高いのでは?」と思うくらいである。ただ、お風呂やサウナにも入れるし、とにかく1度かなりこびりついているだろうと思われる垢をきれいに落としてスッキリしたかったわけである。「温泉」という名称がついているが、決して地下から温泉をくみ上げているわけではなく、普通のお風呂となる。

 私が選んだコースは「アカスリ 20分」で、アカスリの前に自分の好きなだけお風呂(ジャグジーみたいなもので水風呂もあり)やサウナに入って、その後にアカスリをしてもらい、その後はまた自由にお風呂やサウナを利用できる。

 アカスリ後はすこし首まわりがヒリヒリするくらいであったが、サッパリして気持ちが良く、身も心もリフレッシュして宿に戻った次第である。あ〜、極楽、極楽!

 ⇒ 有馬温泉の写真を掲載しているサイト-T

 ⇒ 有馬温泉の写真を掲載しているサイト-U

 ⇒ 有馬温泉の写真を掲載しているサイト-V

 ⇒ 有馬温泉の写真を掲載しているサイト-W(ジャグジーの写真)

 

■ スクンビット通りのマッサージ店 ■

 有馬温泉のあるシーロム地区もそうだが、日本人街と呼ばれるスカイトレイン(BTS)のアソーク駅からプロンポン駅にかけてのスクンビット通りにもマッサージ店は多い。日本語で「マッサージ」と表示してあるお店もよく見かける。中には日本人が経営しているところもあるようだ。ミャンマーのヤンゴンから戻って再度バンコク入りして、スクンビット通りにあるレトロアシスに滞在中に2回ほど近くのマッサージ店に行ってみた。

 【 1店舗目 】

 ランドリーサービスもやっている店で、最初はそちらの方を目的に行ったのだが「ついでに」ということで1時間のオイルマッサージを受けてみた。料金は、ちょっとうる覚えなのだが、250バーツくらい支払ったように記憶している。

 30代半ばくらいの男性が担当してくれたのだが、化粧もしていて何となく「オカマなのかな〜」という感じはあったが、100%の確信は持てなかった。というのも、今回のバンコクの滞在中に、いわゆるオカマではなく「普通の男性」と思われる人が化粧をしているのを何回か見かけたからである。さて、そのマッサージの内容だが、まあ、可もなく不可もなくと言ったところであった。

 【 2店舗目 】

 1店舗目からそれほど離れていないお店であった。丁度帰国の日で、手元にタイバーツも多少余っていたので、深夜の帰国便までの時間潰しもかねて「なるべく使い切ろう」と思った次第である。スクンビットの通り沿いの外からでも中の様子がうかがえる清潔そうなお店を選んだ。足のマッサージ1時間と全身のマッサージ1時間の合計2時間で、確か450バーツだったように記憶している。

 大通りには面していたが、夕方のお客さんの少ない時間帯だったので私が店舗の中に足を踏み入れたときは従業員の女性が3人ほどいるだけお客さんは一人もいなかった。「じゃあ、足のマッサージから始めますので、その椅子に腰かけてください」と言われたので、その前にトイレを使いたい旨を伝えた。すると、「トイレは奥になります」と言われ、店舗の奥にある扉を開けて行くように言われた。

 店舗の奥にある扉を開けて奥の部屋に入ると、他の従業員の女性が5人ほど輪になって床に座っていた。まあ、お客さんが少ない時間帯だったので、店の奥で休んでいたのだと思うのだが、彼女たちが何をしていたかと言うと、賭けトランプをしていたのである。片手にはタイバーツの紙幣を握り、全員、目の前の床に並べられたトランプのカードを見入っていた。また、床に並べられていたカードの横には、賭けたと思われる紙幣が置かれていた。輪になってい座っている女性の一人が私に気づいて「トイレだったらあっちですよ」という感じで教えてくれた。

 おそらく賭け事はタイでも違法だとは思われ、彼女たちもほんの遊びのつもりで時間つぶしをしていたのだろう。それに関して「けしからん!」というつもりはないのだが、お客の私が入ってきても全く気にすることがなく賭けトランプを続けていたのには少し驚ろかざるを得なかった。普通だったら「あっ、ちょっとマズいな〜。」みたいな感じで掛けていたお札くらいは隠すのでは、と思ってしまうが、これもタイの「マイペンライ」の精神なのだろうか?

 さて、1階で1時間の足のマッサージが終わり、全身のマッサージをするために2階の方に移動した。2階は全身を横たえることができるマットのようなものが8つほど敷いてあって、そのうちの一つに横たわるように指示をされた。

 担当してくれた人は足のマッサージをしてくれた人と同じで30代半ばくらいの女性だったのだが、やりだして30分くらい経っただろうか、私の股間部を指さして「こっちはどうしますか?」などと言い出したのである。私はそれを聞いて「はっ?」と思ってしまった。怪しげな店ではなく、女性も利用できるような健全なお店を選んだだけにである。(事実、私が足のマッサージをしてもらっているときには、女性のお客さんが2人来店して、同じように足のマッサージを受けた。)

 もちろん、そんなつもりで入ったわけでもないし、万が一その気になっちゃったとしても「あなたにはお願いしません!」という感じだったので、丁重にお断りした。すると、彼女は急に無口になってしまったわけである。まあ、おしゃべりに来たわけではないので、やることをしっかりやってくれればいいのだが、そのマッサージに関してもお世辞にも「上手い」とは言い難かった。1時間の全身マッサージが終わるとそそくさと退散した次第である。

  

 思ったのだが…

 上記の2つのマッサージ店の近くに高級そうなマッサージ店があった。歩道からは1階の待合室の様子がうかがえ、いちも海外からの旅行者らしき人たちが待合室のソファーでくつろいでいた。料金表示が入口のところに掲示してあったので「どれどれ…」と見てみると、ちょっと記憶も曖昧なのだが、近くにある他のマッサージ店に比べると1.5〜2倍近い設定となっていた。それにもかかわらず、他の店が閑散としている時間帯でも必ず2〜3人くらいのお客さんが待合室にはいた。

 マッサージ師も、全員同じユニフォームを着ていて、外から見ていても統一感というか清潔感が感じられた。周りにあるあまたなマッサージ店に比べて料金は明らかに高いのだが、そうやって繁盛しているということはきっと口コミか何かでその良さが広がっているに違いない。

 タイの古式マッサージには確か資格制度のようなものがあったと記憶しているが、資格を習得したものだけが施術をできるかどうかはちょっと不明である。おそらく、オイルマッサージにいたっては、そのような資格制度などはないに違いない。

 よって、実際に受けてみないと上手いかどうかは分からないわけだが、他の店が閑散としているときでもお客さんが常にいるということは技術的にも優れた店に違いない。その辺の教育も行き届いているのだろう。まあ、少なくても股間を指さされて「こっちはどうしますか?」などとは言われないはずである。

 「今度行ったときはそういう店で受けてみよう!」などとも思ったりするが、生まれながらにして貧乏性の私はどうしても安い店を選んでしまうのである。なんとも悲しいかな…。