四方山話

     

インドシナ半島フィットネス紀行/日記 - ベトナムフィットネス紀行/日記

 

 

ベトナム、 カオス的交通事情 ( その1 )


 

 渋谷の駅前のスクランブル交差点は、海外からの観光客にとってかなり有名な観光名所となっている。何回か、訪日外国人が、交差点を行き交う日本人の姿を見て「よく日本人はあんなに人が多い中、ぶつからないで歩くことができるね。本当にアメージングだ!」とコメントするのをテレビなどで目にしたことがある。
 私も同じことを言いたい。「よくベトナム人はあんあごちゃごちゃした道路をぶつからずに器用にバイクを運転できるな〜」と…。ベトナムのバイクの交通量の多さは世界的に有名で、その様子はニュースなどでも取り上げられたり、YouTubeなどに動画がアップされている。
 私が15年前に初めて訪れたときには、すでにその辺の交通事情はガイドブックなどにも「道を横断するときはくれぐれも気をつけてください」などと紹介されていたので、予備知識としては頭の中に入っていた。ただ、実際にそれを目の当たりにすると、改めてその凄さに驚かされてしまった。

 15年も前のことなので記憶も定かではないのだが、横断歩道なるものはあったような気がするが、そこを渡ろうとしている人がいたからと言って、気を使ってスピードを落として横断しようとしている人に道を譲るような運転手がいたようには思えない。そして、歩行者用の押しボタン式の信号機などは皆無だったと記憶している。まあ、1週間もいるとかなり慣れては来るが…。
 さて、それから15年の歳月が過ぎたわけである。「あれからどうなっただろう?」という気がしないでもないが、ときどきメディアを通してベトナムの交通事情を見聞きすることもあり、とても変わったようには思えない。こればかりは実際に自分の目で確かめてみるのが一番である。

 

 少しベトナムの免許の種類について調べてみた。バイクや自動車の運転免許は10種類近くあるようだが、メインは以下の4種類になる。

1

A1

 175tまでのバイクの運転が可能。多くのベトナム人がA1のみの免許を所有

2
A2
 排気量無制限のバイクの運転が可能。取得には政府関係者とのコネが必要?
3
B1
 乗車定員9名、3.5tまでの普通車の運転が可能
4
B2
 B1と同じ条件で営業運転が可能。いわゆるタクシーなどの2種免許

 

・日本で国際免許を取得しても、ベトナム、日本、それぞれの国が加盟している条約が異なるため、ベトナムで二輪車や自動車を運転することはできない。ただし、「免許の書き換え」制度があるため、日本で二輪車や普通自動車の免許を所有している場合は、その制度を利用すれば学科試験は免除される。バイクの免許を取得するだけなら、実技試験はかなり簡単とのこと。

 

 今回の旅行では「おそらく旅行者だろうな」と思えるような西洋人がバイクを運転しているところもときどき見かけたが、「ほとんどは無免許のはず」と書いてあるサイトもあった。もちろん、無免許でバイクや車を運転すれば罰せられるが、そのサイトでは「賄賂で許される場合も多い」という文も見受けられた。

 

 ベトナムでは、50t以下のバイクは免許は必要ないらしいが、50t以下のバイクはあまり出回っていないとのこと。また、今回の旅では、数はそれほど多くないが電動バイク/自転車が走っているのも何回か見かけた。いわゆる、エンジン付きのホンダのカブを代表とする二輪車やスクーターなどとは外見が異なるのですぐそれと分かった。

 乗っていたのは女子学生が多く、何回か「あれっ、小学生?」と思われるような、ガキ、訂正、訂正、若い子が乗っている姿も見かけた。もちろん他の免許が必要なバイクや自動車と一緒に一般道を走ることになるので、免許不要と言っても、周りから「若い子が乗っているので注意してあげないと…」と特別扱いされているわけでは決してないはずである。

 

 

 以下の写真は私が15年前に初めてホーチミンを訪れたときに撮った写真になる。見てわかると思うが、ヘルメットを着用している人は皆無となる。

 それに対して、以下は今回の訪問で宿の近くで撮った写真となる。(動画から起こしたのでしょっと不鮮明)。ヘルメットの装着率100%。調べてみると、2007年にヘルメットの装着が義務化されたようだ。

 それで、「コープマートへ」のところでも記しているが、ホーチミンでは至る所でヘルメットが売られている。コープマートのような大型のスーパーはもちろんのこと、街中を歩いていると店先で販売しているところもよく見かけるし、個人が道端で販売している光景も珍しくない。値段は、コープマートで1,155円ほどであったので、道端で販売しているものはもっと安いに違いない。

 まあ、品質は、日本で販売されているような日本工業規格(JIS)の安全基準をクリアしたものに比べると、当然、劣るのであろう。それでも、かぶっているのとかぶっていないのでは天と地ほどの差が出てくることは間違いない。