四方山話

     

インドシナ半島フィットネス紀行/日記 - プロローグ

 

さて最後に宿の予約である:airbnbはどうだろうか?(その1) 」


 今回のフィットネス紀行で「ちょっと利用してみたいな〜」と思ったのが、airbnb(エアビーアンドビー)である。いわゆる「民泊」というシステムだ。ここ数年で急速に世界中でその利用者を増やして、ウィキペディアによると「世界192ヶ国の33,000の都市で80万以上宿を提供している」とのことである。

 そのairbnbについてちょっと調べてみたのだが、2008年の正式開業前に創業者たちが泊めたのがたったの3人だったが、2010年の夏の利用者は47,000人になり、5年後の2015年にはなんと利用者がその353倍にまで膨れ上がり破竹の勢いで拡大を続けているようだ。

 エアビーアンドビーの利用者が増えれば増えるほど苦境に立たされるのは従来型のホテルなどの宿泊所である。確か「未来世紀ジパング」か何かだったと思うのだが、エアビーアンドビーについて取り上げていたことがある。場所はパリから少し離れた地方都市のホテルであったと記憶している。オーナーの女性が「毎年、欧州のサッカー選手権の時には予約で全ての部屋が埋まってしまうが、今年はさっぱり。例年よりも4割も予約が減ってしまったわ。理由はエアビーアンドビーよ。仕方がないので従業員の何人かを解雇の…。」と嘆いていた。

 近くにホテルが新しく建設されれば「ああ、ここに新しくできるのね」とそれなりに情報は入ってきてその対策も多少は打てるのだろうが、airbnbの場合は、一夜にして知らないうちに一般の住宅が宿泊施設となってしまうわけである。1ヶ所での宿泊人数は1名から数名程度だが、その分数が多いので従来型の旅館業を営む人にとって見れば大きな脅威となるはずだ。

 プラスして、個性的な宿泊所が多く、通常のホテルなどの宿泊施設に泊まり慣れて「どこもたいして変わりがない」と思っている人には興味をそそられるものが多い。サイトに掲載されている写真を見ているだけでなかなか面白い。特に「滞在中は現地の人と少しコミュニケーションを取りたい」と思っている旅行者にはうってつけの宿泊施設となっている。

 さて、日本でのairbnbだが、こちらも右肩上がりで年々利用者が増えている。ただ、日本には「旅館業法」と言う法律があり、「料金を取って宿泊するところを提供する」のは「旅館業」にあたり、それには各都道府県の知事の許可が必要になってくる。よって、その許可を得ないで旅行者に宿泊所を提供することは違法行為となる。(おそらく日本でairbnbを通して旅行者に宿を提供している場合、そのほとんどは知事の許可などは得ていないと思われる)

 ただ、2016年度には訪日外国人の数は2,400万人を突破し、その勢いは多少鈍化しつつあるといっても今後も増えていくことは十分に考えられる。そして、政府は2020年の東京オリンピックの開催時には「訪日外国人4,000万人」を目標に掲げている。

 そうなると、当然のことながら現在の宿泊所の数だけでは受け入れは困難となる。よって、去年の2016年あたりから「規制を緩和して外国人観光客の受け入れに民泊を活用しよう」という動きも出てきているが、旅館業界の反発も当然のことながら出てきている。まあ、どのように落ち着くかは分からないが、「民泊」という世界的な潮流は止めることはできないだろう。