さて、中級のバレエのクラスの最後の方に行われる3人1組になっての練習だが、男性は参加する人数がいつもすくなく( 少ない時で2人、多いときでも4人くらい )出番はいつも女性の組が終わってからとなる。通常はスタジオを斜めに大きく使って、1つの動作 (movement) を繰り返し行うか、いくつかの動作を組み合わせたものとなる。
3人1組ずつ動作をしていくわけである。じゃあ、残りの人は何をしているかというと。まあ、中には個人で動作の確認をしている人もいるが、ほとんどの人は他の人が行っているのを見ていることになる。ヘタッピにとって、これほど嫌な時間はない。
まだ、まともに動作ができる人であれば「 しっかりと見て、私のをお手本 (example) にして!」となるところだろうが、自分でも「 バレエの動作になっているのだろうか?」と疑っているものにとってみれば、他人の視線 (gaze) は「 何それ?それでもバレエをしているつもりなの?」という強力なレーザービーム以外の何ものでもないわけである。
いつも緊張 (tension) の糸を張りっぱなしで受けていた土曜日の中級のバレエのレッスンだったが、ある日、その張り切った糸がプツンと切れてしまい、それ以降はレッスンに参加することは一切なくなった。あまりはっきりとは覚えていないのだが、1年以上は続けられたと思っている。まあ、途中で挫折してしまったわけだが、「よく頑張った!」と自分を褒めて (praise) やりたいくらいである。