そのナイスボディの若いナイジェリア人だが、卓球もそこそこの腕前で「 どこかでやっていたの？」と聞くと、「 母国にいるときに中国人に習ったことがある 」という返事が返ってきた。その中国人は、どうもカットマンだったようで、彼もやたらとカットをしてくる。もちろん、フィットネスクラブでは卓球だけではなく筋トレなどもかなり頑張ってやっていた。

　これは本人から直接聞いたわけではないのだが、「 学生ではなく弁当工場で働いている 」ということは技能実習生 (technical intern) として来日していることは容易に想像ができる。日本での滞在期間 (period of stay) も「 3年間の予定 」と言っていたので、技能実習期間と当てはまる。

　そんな週に数回見かけていた彼だが、1年ちょっと前にすっかり姿を見かけることはなくなってしまった。ちょっと気になったので卓球仲間に「 最近、彼、見ないね？ 」と聞いてみると、「 そうだね。最後にあった時に「 仕事を変わりたい！」って言っていたけど… 」との返事であった。

　技能実習生の場合、仕事を変わることはできないはずである。「 おそらく 」なのだが、「 実習期間の3年を待たずして仕事を辞める 」ということは「 帰国 」を意味することになる。よって、少し前からより良い条件の仕事（ 不法就労 (illegal work) となるはず ）を求めて行方不明 (missing) になる実習生が増加して問題となっている。

　そのナイジェリア人の彼の姿を全く見かけなくなって数ヶ月もすると彼のことは頭の片隅からいつの間にか消えていた。しかしだ、思いもよらぬところで彼の姿を見かけてしまったのである！何と、先日の日記で記したNHKスペシャル「 人類誕生 」の番組で「 ホモ・サピエンス 」の役として出演していたのでビックリしてしまった。すぐに彼と分かった。

　あの手の番組に出るのだから芸能プロダクションか何かに登録しているに違いない。（ 最近は外国人専用の事務所もあると聞いている ）もちろん、弁当工場を止めて他で就労すれば違法行為 (illegal act) だろうし、工場に勤めながらアルバイト的に働いている可能性も否定はできない。いずれにしても「 今頃、彼はどうしているだろうか？ 」と思う今日この頃である。