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トッピクス - 海外(その2)

 

 

 

 イタリアのローマに行くに当たっては、モロッコから一度バルセロナに戻っている。

 アルバムより

「9月15日、午後9時頃ローマのテルミニ駅着、バルセロナから列車で25時間かかった。苦痛そのものである。」

 今でも、まあところどころあやふやなところはあるが、そのときのことはかなり記憶に残っている。確か6人掛けのコンパートメントが満席だったと思う。私以外は、20代のイタリア人の女性が2人で、一緒に旅行をしていたと思う。同じように20代と見られるイタリア人の男性が2人。あとは60歳前後くらいの西洋人の男性でイタリア人かどうかは不明であった。

 とくに全員で話が盛り上がるようなことはなかった。私が日本人だと分かると、そのイタリア人の女性の一人が「私、日本に行ったことあるのよ。ほら、その時撮った写真があるわ!」と日本に旅行したときの写真を何枚か見せてくれた。その中の1枚に鎌倉の大仏の前で撮られたものがあったが、あとはどこだったろう…?

 そして、列車がバルセロナを出発して2、3時間経つが経たないかしたころ、そのイタリア人の女性と、その隣に座っていたイタリア人の男性がいい雰囲気になりだした。

 もう夜もいい時間だったので就寝のためにコンパートメントの明りも弱くなっていったのだが、今度はその即席カップルがいちゃいちゃし、チュチュし始めたのである。

 私は「もう、勘弁してくれよ!」と言う感じで、窓際のカーテンにもたれかかり、なるべくこころを無にして寝ようと試みたが、寝台車だってそう眠れるものではないのに、座席に座りながらだから眠れるわけがない。夜が明けてからもほとんど一晩中眠れなかったということもあり、私は同じような姿勢を取ってなるべく眠りにつこうと努めた。

 それを見て、例のイタリア人の女性は私に「寝てばかりね!」と声を掛けてきたが、「そもそもの原因は君たちが…」などとは言えるわけがなかった。そのようなローマまでの25時間は苦痛以外の何物でもなかった。

 あるテレビ番組で、「イタリア人の男性はよく女性に声を掛ける」ということを話題にしていた。そして、現地の特派員なのか、それともリポーターがわざわざイタリアまで赴いたのは分からないが、そのことに関してイタリア人の男性にインタビューしている場面があった。

 リポーター:「済みません。ちょっといいですか?」

    男性:「はい。構いませんよ」

 リポーター:「あの〜、イタリア人の男性はよく女性に声を掛けると聞いているのですが、本当ですか?」

    男性:「ええ、イタリア人の男性はよく女性に声を掛けますよ」

 リポーター:「そうすると、イタリア人の男性は女性好きの方がそんなに多いのでしょうか?」

    男性:「僕たちが好きで声を掛けているわけではありませんよ」

 リポーター:「どういうことですか?」

    男性:「女性のためにやっているのですよ。だって、男性に声を掛けられればうれしいでしょ?!」

 う〜む、ものは考えようである…。

 

備考