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トッピクス - 旅に出よう - 海外(その3)

 

 

 

・まったくやれやれである

 

 

■ まったくやれやれである ■

 インドのことをよく知らない人でも「ダージリン」という言葉は1度くらいは耳にしていることと思う。それは地名としてというよりは紅茶の一種として、私達日本人には広く知られている。西にネパール、東にブータンが位置する場所で、平均標高は約2,134mとなる。イギリス領の時代には、インド在住のイギリス人たちの避暑地として栄えた場所である。

 さえ、ニューデリーからこのダージリンを目指した。距離的にはかなり離れているようで、詳しくは分からないが、1,500キロ近くはあるかもしれない。私は、寝台列車のチケットを購入するためにニューデリー駅に向かった。ニューデリーから直接ダージリンに行く列車はない。ダージリン近くの主要駅で下車をし乗り換えなければならないのだが、それが何と言うえきなのかは、今となっては分からない。しかし、その駅までのチケットを購入するのがまた一苦労であった。

 首都の駅なのでそこそこの大きさがあった。もちろんチケット売り場も複数あったので、駅員に「ダージリンに行きたいのだけれど」と告げると、「じゃあ、チケット売り場の〜番に行って」と言われるので、当然のごとくその売り場に行くわけだが、すでに行列ができている。その最後尾に並ぶのだが、平気で横から入って来る輩がたくさんいるのである。

 「なんだ、あいつは!」とは思うのだが、郷に入っては郷に従うしかない。それでも、待っていれば何とか私の番になり「ダージリンに行きたいので、夜行の寝台車のチケットが欲しい」と告げると、「それはここじゃない。〜番の窓口だ!」と言われる始末である。そのようなことを何回か繰り返してやっとチケットを購入した。

 私は、再び宿泊している宿に戻り、荷物の整理にかかった。もう何時発の列車だったかなどは覚えていないのだが、ニューデリーが始発でなかったことは確かだった。列車がホームに到着すると、私は自分の寝台を探した。「あっ、ここだ!」と思ってカーテンを開けると、すでに人が寝ているのである。私はもう一度チケットに印刷された番号を確かめたが、間違っているようには思えなかった。

 よって、すでに寝ているインド人を起こし「ここは私の寝台のはずだが」と伝えるが、「違う、違う、ここはオレの寝台だ。寝ているのを邪魔するな!」という感じで追い払われてしまった。さて、困ってしまった。「どうしたものか?」と落ち込んでいると、車掌がやってきた。私はチケットを見せて「ここは私の寝台のはずだが、すでに人が寝ている」と訴えると、その車掌は「どれどれ」という感じで私のチケットを手にした。そして、すでに寝台に寝ていたインド人を起こして、何やら言っているのである。

 そのインド人は「ちぇっ、仕方がねーなー」と言う感じで、自分の荷物を手に取り寝台から下りてきたのである。結局、そこは私の寝台で、不法占拠をされていたことになる。たまたま車掌が来たから良いが、来なかったらどうなっていたのだろう…?たくましくないとインドの一人旅は難しい、まったくやれやれである。

 

備考